みなさん、こんにちは。オルカン一筋を公言しているのに、なぜかサイトには8銘柄も並べている当サイト管理人です。

今日はまず、その「なぜ8銘柄も入れたのか」という話から始めさせてください。

私自身が買っているのはオルカンだけです。じゃあ自分用なら1本で足りるはずなんですが、当サイトにはS&P500もNASDAQ100もFANG+も先進国も新興国も、日経平均もTOPIXも並んでいます。

理由はシンプルで、私と違う方針で頑張っている人がたくさんいるからです。

実際、オルカン以外のインデックスにも相当な金額が積み立てられています。S&P500一本で行くと決めた人、NASDAQ100に賭けている人、国内株を選んでいる人。どれが正解ということはなくて、それぞれが自分で考えて決めた方針だと思うんですね。せっかく作るなら、その人たちにも使ってもらえる形にしたかった。

そして、8つ並べて毎日眺めているうちに、面白いことに気づきました。

オルカンとS&P500、だいたい同じ動きをするんです。

「全世界」と「アメリカだけ」なのに。今日はこの話をします。

同じ日なのに、たまに動きが違う

基本的には、この2つは似た動きをします。片方がプラスなら、もう片方もだいたいプラス。並べて見ていると「まあ、そうだよね」という日がほとんどです。

ただ、たまに、はっきり差が出る日があります。

最近だと、台湾のTSMC(台湾セミコンダクター)のような、アメリカ以外の企業が大きく動いたときですね。「今日はオルカンの方が強いな」「あれ、逆に負けてるな」という日が出てくる。

これ、なぜだと思いますか。

気になって中身を調べたら、思っていたのとはだいぶ違う姿が見えてきました。

中身を調べたら、6割が同じでした

まず、オルカンが何に投資しているのかという話から。

47カ国・約2,461銘柄。でも6割がアメリカ

オルカンが連動を目指しているのは「MSCI ACWI」という指数です。三菱UFJアセットマネジメントの解説によると、この指数は先進国23カ国・新興国24カ国の合計47カ国・地域をカバーし、約2,461銘柄で構成されています(2026年6月末時点)。世界の投資可能な株式の、およそ85%を網羅しているそうです。

47カ国。2,461銘柄。数字だけ見ると、たしかに「全世界」です。

ところが、国別の構成比を見ると、アメリカが約6割を占めています。同じ資料の推移グラフでは、2005年末に約48%だった米国比率が、2025年末には約64%まで上がっています。

私はここで、けっこう驚きました。

「全世界に分散している」と思って買っていたのに、実質的には3分の2近くがアメリカだったわけです。

上位10銘柄を見ると、もっとはっきりします

もう少し具体的に見てみましょう。オルカンの交付目論見書(2026年7月25日から使用)に載っている組入上位10銘柄です。

  • 1位 NVIDIA(アメリカ)5.1%
  • 2位 APPLE(アメリカ)4.0%
  • 3位 MICROSOFT(アメリカ)3.0%
  • 4位 AMAZON.COM(アメリカ)2.6%
  • 5位 ALPHABET(アメリカ)2.0%
  • 6位 BROADCOM(アメリカ)1.8%
  • 7位 ALPHABET(別クラス/アメリカ)1.8%
  • 8位 TAIWAN SEMICONDUCTOR(台湾)1.7%
  • 9位 META PLATFORMS(アメリカ)1.5%
  • 10位 TESLA(アメリカ)1.1%

お気づきでしょうか。上位10社のうち、アメリカ以外は台湾のTSMC 1社だけです。

さっき「TSMCが動いた日に差が出る」と書きましたが、まさにこれが理由でした。オルカンにとってTSMCは、米国勢を除けば事実上の筆頭銘柄なんですね。ここが動けば、S&P500との差になって表れます。

逆に言えば、それ以外の日は上位のほとんどが同じ会社なので、似た動きになるのは当然だったわけです。

同じ会社でも、重みが違います

もうひとつ面白いのが、同じ銘柄でも比率が違うという点です。

S&P500の方の交付目論見書(2026年1月24日から使用)を見ると、1位はやはりNVIDIAですが、その比率は8.4%。オルカンでの5.1%と比べると、3ポイント以上高い。

※2つの目論見書は作成時点が違うので、この数字を厳密に横並び比較することはできません。それでも「同じ会社が、片方ではより重い」という傾向は読み取れます。

アメリカだけを集めているS&P500の方が、当然その中の大企業に集中します。だから同じ材料でも、効き方の強さが変わる。「同じ方向に動くけれど、幅が違う」という日があるのは、これが理由です。

意外でした。全世界の方が、信託報酬が安い

調べていて、いちばん「へえ」と思ったのがこれです。

47カ国から2,461銘柄を集めてくるオルカンと、アメリカの503銘柄だけを持つS&P500。手間がかかるのは明らかに前者ですよね。私はずっと、オルカンの方がコストが高いものだと思っていました。

ところが、実際は逆でした。

どちらも純資産総額に応じた段階制になっているので、それぞれの交付目論見書から抜き出します(いずれも税込・年率)。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

  • 5,000億円未満の部分:0.05775%
  • 5,000億円以上1兆円未満の部分:0.05764%
  • 1兆円以上の部分:0.05753%

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

  • 1兆円未満の部分:0.08140%
  • 1兆円以上3兆円未満の部分:0.07700%
  • 3兆円以上5兆円未満の部分:0.07590%
  • 5兆円以上10兆円未満の部分:0.07579%
  • 10兆円以上の部分:0.07568%

ざっくり言うと、オルカンが約0.058%、S&P500が約0.077%。差は0.02%ポイントほどです。

正直、この差だけで銘柄を選ぶ人はいないと思います。ただ「分散しているほどコストが高いはず」という私の思い込みが、きれいに外れたのは面白い体験でした。

ちなみに、この信託報酬は毎日、日割りで差し引かれています。私はこれを知らなくて、当サイトの推計値が公式発表よりわずかに高く出る理由を探しているときに、ようやく気づきました。その話は推計の仕組みの記事に書いています。

で、どちらを選べばいいのか

ここまで書いておいて申し訳ないのですが、私はどちらが良いとは書きません。

というより、書けません。未来のことは分からないからです。

私自身はオルカンを選んでいます。理由は、投資日記の記事にも書いたとおり「未来は誰にも分からない」と考えているからです。今はアメリカが強い。それは事実です。でも20年後、30年後もそうかというと、誰にも断言できません。

今回中身を調べてみて、その考えは少し補強されました。オルカンを持っていても、結局6割はアメリカに投資しているんです。「アメリカを外している」わけではまったくない。そのうえで、残りの4割で他の国もカバーできている。

この「全体をカバーできている」という感覚が、私には安心材料になっています。あくまで私の性格に合っているという話で、合理的に優れていると主張したいわけではありません。

白状すると、私もS&P500を持っています

ここまで「オルカン一筋」と書いてきましたが、正確ではありませんでした。実はS&P500も積み立てています。

ただし、現金ではありません。ポイントで買っている分です。クレカ積立などで貯まったポイントを、そのままS&P500に入れています。

なぜ本体はオルカンなのに、ポイントだけS&P500なのか。

理由は、自分でも笑ってしまうくらい単純です。ポイントを「お金」だと思えていないからなんですね。

自分の給料から出したお金だと「分散されている方が安心だ」と考えるのに、ポイントだと「せっかくだしアメリカに集中させてみるか」と思える。同じ人間が判断しているはずなのに、原資が違うだけで選ぶものが変わる。

合理的ではありません。ポイントも立派なお金なので、本来なら同じ基準で判断すべきです。

でも、こういう「気持ちの逃げ道」を作っておくことは、長く続けるうえで案外バカにできないと思っています。全部を1つの方針でガチガチに固めると、たまに苦しくなるので。

S&P500を選んでいる方には、その方の理屈があると思います。実際、当サイトを見に来てくださる方の中にも、いろいろな方針の人がいます。だから8銘柄並べているわけですね。

まとめ:6割は同じ。違うのは残りの4割

今回調べて分かったことを整理します。

  • オルカンが連動するMSCI ACWIは47カ国・約2,461銘柄だが、米国が約6割
  • 組入上位10銘柄のうち、米国以外は台湾のTSMC 1社だけ
  • だからS&P500と似た動きになるのは当然。差が出るのはTSMCなど非米国が動いた日
  • 同じ銘柄でも比率が違うので、同じ方向でも幅が変わる
  • 信託報酬は全世界の方が安い(約0.058% 対 約0.077%)。思い込みが外れた
  • どちらが良いかは書かない。自分は「全体をカバーできている安心感」でオルカンを選んでいる
  • ただしポイントではS&P500を買っている。原資が変わると判断も変わるという、我ながら不合理な話

当サイトで両方を並べて見ていると、こういう違いが体感できます。数字を眺めているだけのようでいて、意外と中身のことを考えるきっかけになるんですよね。

それでは、また次の記事でお会いしましょう!

※注意事項(免責事項)

  • 本記事は各指数・ファンドの公表情報の紹介および運営者個人の考えに基づく情報提供であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
  • 記載した構成比率・信託報酬率は、各運用会社が公表する資料の作成時点のものです。構成銘柄や比率は定期的に見直され、信託報酬率も純資産総額により変動します。最新の情報は各ファンドの交付目論見書および月次レポートをご確認ください。
  • オルカンとS&P500の比較は、それぞれの交付目論見書の作成時点が異なるため、厳密な横並び比較ではありません。
  • 投資には元本割れのリスクがあります。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。