「NASDAQ100はオルカンより値動きが荒い」とはよく聞きますが、どれくらい荒いのかを数字で並べた記事は少ないと思います。当サイトが扱う35本の確定基準価額から、直近5年(設定5年未満のものは設定来)の年率ボラティリティ(日次変動率の標準偏差を年率換算したもの)を計算しました。あわせて、5年間で最も下げた月と最も上げた月も出しています。
ボラティリティ・ランキング(主要ファンド)
| ファンド | 年率ボラティリティ | 最悪の月 | 最良の月 | 下落した月の割合 |
|---|---|---|---|---|
| FANG+ | 32.1% | 2022年4月 -18.5% | 2023年5月 +23.8% | 25/60か月 |
| Tracers ゴールドプラス | 27.2% | 2026年3月 -18.1% | 2026年1月 +20.7% | 10/48か月 |
| Tracers S&P500トップ10 | 26.8% | 2024年7月 -11.6% | 2026年4月 +21.2% | 11/27か月 |
| NASDAQ100 | 25.2% | 2022年1月 -12.0% | 2026年4月 +18.8% | 24/60か月 |
| Slim 日経平均 | 23.2% | 2026年3月 -12.7% | 2025年10月 +16.6% | 23/60か月 |
| S&P500 | 19.7% | 2022年1月 -7.1% | 2026年4月 +12.9% | 21/60か月 |
| Slim 新興国株式 | 18.9% | 2026年3月 -10.3% | 2026年4月 +15.0% | 26/60か月 |
| 先進国株式 | 17.8% | 2022年1月 -7.0% | 2026年4月 +11.3% | 21/60か月 |
| iFree インド株 | 17.0% | 2026年3月 -13.8% | 2024年6月 +9.7% | 18/41か月 |
| オルカン | 16.8% | 2026年3月 -6.8% | 2026年4月 +11.6% | 21/60か月 |
| Slim 8資産均等 | 9.5% | 2026年3月 -5.8% | 2026年4月 +6.0% | 22/60か月 |
| Slim 先進国債券 | 8.4% | 2022年12月 -4.9% | 2024年10月 +4.2% | 23/60か月 |
| Slim 国内債券 | 3.3% | 2026年3月 -1.8% | 2023年11月 +2.1% | 44/60か月 |
読み取れること
1. オルカンはS&P500より「2割おだやか」
オルカン16.8%に対しS&P500は19.7%。世界に分散するだけで日々の揺れが2割ほど小さくなります。ただし値動きの4分の1は為替なので、円建てで見る限り「おだやか」にも限度があります。
2. NASDAQ100・FANG+は「オルカンの1.5〜2倍」揺れる
NASDAQ100の最悪の月は-12%、FANG+は-18.5%。FANG+の場合、10銘柄への集中投資なので1か月で2割近く減る月が実際にありました。一方で最良の月は+24%で、荒さは上下両方向に出ます。
3. 「下落した月の割合」はどれも3分の1強で変わらない
意外なことに、株式ファンドは荒さに関係なく60か月中21〜26か月が下落月でした。荒いファンドは「下げる月が多い」のではなく「下げる月の下げ幅が大きい」のです。例外は国内債券で、60か月中44か月が下落。ボラティリティは最小ですが、5年間ほぼ一方向に下げ続けました。
4. 2026年3〜4月は多くのファンドの「最悪の月」と「最良の月」が隣り合っている
オルカン、新興国、日経平均、8資産均等など多くのファンドで、最悪の月が2026年3月、最良の月が2026年4月です。1か月で-7%、翌月+12%。最も下げた直後に最も上げるのは2020年3〜4月とも共通するパターンで、下落時に積立を止めることの機会損失がここに表れています。
積立との相性で考える
積立投資は「安いときに多く買える」仕組みなので、値動きが荒いほど平均取得単価を下げる効果は大きくなります。理屈の上では、荒くて長期で上がるファンドが積立に最も向いています。ただし現実には、-18%の月を見て積立を続けられるかどうかが分かれ目です。最大下落率の記事で見た通り、FANG+は-38%から戻るのに1年半かかりました。
- ボラティリティ17〜20%(オルカン・S&P500・先進国)が「毎月見ても平気」な人の上限の目安
- 25%超(NASDAQ100・FANG+・日経平均)は、1か月で1〜2割減る月があることを前提に、金額を絞って持つ
- 10%以下(8資産均等・債券)は揺れは小さいが、5年のリターンもオルカンの半分以下(8資産+61%、先進国債券+32%)だった
この検証の前提と注意点
基準価額は各運用会社が公表している確定値(設定来の全営業日)をもとに集計しています。買付は「指定日以降の最初の営業日の基準価額」で約定したものとして計算し、手数料・税金・分配金は考慮していません。過去のデータに基づく検証であり、将来の成果を示すものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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