「オルカン」と呼ばれるファンドは、実はeMAXIS Slimだけではありません。Tracers、楽天プラス、たわらノーロード、はじめてのNISA。いずれもMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動し、信託報酬は年0.05〜0.06%台でほぼ横並びです。では実際の基準価額の伸びはどれだけ違うのか。当サイトが扱う35本のうち、同じ指数に連動する29本を9グループに分けて比べました。

検証の方法

グループ内で最も新しいファンドの設定日から2026年8月25日までを共通期間とし、その期間の年率リターン(設定来の基準価額から算出)を比べます。信託報酬は基準価額から日々差し引かれているので、基準価額の伸びの差=コストと運用の巧拙を合わせた「実際の差」です。

結果: 同じ指数なら差は年0.1〜0.3%

グループ(共通期間)ファンド年率リターン
全世界株式 MSCI ACWI(2023/11〜、2.8年)Tracers オルカン27.34%
はじめてのNISA オルカン27.32%
eMAXIS Slim オルカン27.31%
たわら 全世界株式27.20%
楽天プラス オルカン27.09%
S&P500(2023/11〜、2.8年)eMAXIS Slim S&P50027.40%
楽天プラス S&P50027.40%
SBI・V・S&P50027.34%
たわら S&P50027.33%
先進国株式 MSCIコクサイ(2017/3〜、9.5年)eMAXIS Slim 先進国株式17.29%
ニッセイ外国株式17.25%
たわら 先進国株式17.24%
日経平均(2018/2〜、8.5年)ニッセイ日経平均15.94%
eMAXIS Slim 日経平均15.94%
たわら 日経22515.86%
NASDAQ100(2021/2〜、5.6年)eMAXIS NASDAQ10024.11%
iFreeNEXT NASDAQ10023.96%

オルカン5本の差は最大で年0.25%、S&P500の4本は0.07%、9.5年ある先進国株式3本でも0.05%。同じ指数なら、どれを選んでも結果はほぼ同じと言い切ってよい水準です。年0.25%の差は、100万円を10年持って約2.5万円です。

差が出るのは「同じ名前で違う指数」のとき

一方で、名前が似ていても連動する指数が違うと、差は桁違いになります。

グループファンド(連動指数)年率リターン
インド株(2023/9〜、2.9年)iFreeNEXT インド株(Nifty50)4.46%年2.2%
サクっとインド株式(SENSEX)2.23%
新興国株式(2023/6〜、3.2年)eMAXIS Slim 新興国株式(MSCI EM)25.30%年5.3%
SBI・V・新興国株式(FTSE EM)19.99%
全世界株式 FTSE系(2022/2〜、4.5年)雪だるま/楽天VT/SBI・V・全世界(FTSE Global All Cap)20.31〜20.60%3本は年0.3%以内で横並び

MSCIとFTSEの新興国指数は韓国の扱い(MSCIは新興国、FTSEは先進国)が違い、インドの2指数は構成銘柄数(50社と30社)が違います。「インド株」「新興国株式」という言葉で選ぶと、実は別の指数を買っていることがあります。

結論

  • 同じ指数のファンド同士なら、年率の差は0.1〜0.3%。信託報酬の差がそのまま出ている程度で、どれを選んでも大きな違いはない
  • 選ぶ基準は「自分の証券会社で買えるか」「ポイント還元の対象か」で十分
  • 気をつけるべきは名前が似ていて指数が違うケース。「インド株」「新興国」「全世界」は必ず連動指数を確認する

この検証の前提と注意点

基準価額は各運用会社が公表している確定値(設定来の全営業日)をもとに集計しています。買付は「指定日以降の最初の営業日の基準価額」で約定したものとして計算し、手数料・税金・分配金は考慮していません。過去のデータに基づく検証であり、将来の成果を示すものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

ご自身の積立設定でこの計算を毎朝自動でやってくれるのが、当サイトの会員機能マイ積立です。トップページの積立実績診断では、登録なしで「あの月から積み立てていたら今いくら」を試せます。