こんにちは、当サイト管理人です。私自身、新NISAは「成長投資枠は年初に一括、つみたて投資枠は毎月」という使い方をしています。理由はよく言われる「早く入れた方が期待値が高い」という話なのですが、それが実際の基準価額でどれくらいの差になったのか、自分でも確かめたことがありませんでした。そこで当サイトが集計している35本の確定基準価額を使って、全部計算してみました。
検証の条件
- 年初一括: 各年1月の最初の営業日に120万円を一括で買う
- 毎月積立: 毎月1日以降の最初の営業日に10万円ずつ、12回買う(合計120万円)
- どちらも年末(12月最終営業日)の評価額で損益率を比べる。2026年は8月25日時点(積立は8回・80万円)
- 対象は当サイトが扱う35本のうち、その年の1月に既に存在していたファンド
結果1: オルカンは一括が6勝2敗、S&P500は5勝3敗
まずは代表格の2本です。
| 年 | オルカン 一括 | オルカン 積立 | S&P500 一括 | S&P500 積立 |
|---|---|---|---|---|
| 2019 | +31.5% | +13.2% | +36.8% | +14.9% |
| 2020 | +10.5% | +17.3% | +11.9% | +15.5% |
| 2021 | +32.6% | +15.0% | +44.0% | +21.8% |
| 2022 | -6.1% | -3.4% | -6.5% | -4.4% |
| 2023 | +32.6% | +13.3% | +37.3% | +15.4% |
| 2024 | +33.4% | +13.9% | +41.5% | +18.2% |
| 2025 | +21.4% | +18.8% | +16.5% | +17.6% |
| 2026(8/25まで) | +14.8% | +9.0% | +13.6% | +9.0% |
上げ相場の年は当然ながら一括が圧勝です。2024年のS&P500は一括+41.5%に対して積立+18.2%と、同じ120万円で28万円近い差がつきました。積立は「年の後半に買った分」がほとんど値上がりの恩恵を受けられないので、右肩上がりの年には構造的に不利です。
一方で積立が勝ったのは2020年(コロナショック後に急回復)と2022年(年間を通じて下落)、そしてS&P500の2025年(4月に大きく下げてから回復)です。共通するのは「年の前半に安く買える局面があった」ことで、積立の本来の強みが出た年でした。
結果2: 35本×2年(2024・2025)では一括が56勝13敗
対象を35本すべてに広げ、新NISAが始まった2024年と2025年の2年分(合計69ケース)を集計すると、一括56勝・積立13敗でした。ただし2024年と2025年で様相がまったく違います。
| 年 | 一括が有利だったファンド | 積立が有利だったファンド | 差が最大だったケース |
|---|---|---|---|
| 2024 | 32本 | 2本(国内債券・インド株の一部) | FANG+ 一括+76.3% / 積立+36.0%(差40pt) |
| 2025 | 24本 | 11本(S&P500系・NASDAQ100系・インド株など) | ゴールドプラス 一括+76.9% / 積立+48.8% |
2025年は4月に米国株が大きく下げた(S&P500連動ファンドは1月の高値から約24%下落)ため、米国株系のファンドは軒並み積立が勝ちました。差は1〜2ポイントと小さいものの、「一括が常に勝つ」わけではないことがはっきり出ています。逆に日本株(日経平均・TOPIX)や新興国は2025年も一括が5〜9ポイント有利でした。
「積立が勝つ年」を事前に当てられるか
できません。積立が勝った2020年・2022年・2025年(米国株)は、いずれも年初の時点では予想されていなかった下落が起きた年です。逆に言えば、一括のリスクは「年初に買った直後に大きく下がると、その年は取り返せない」ことに尽きます。2022年の一括は年末時点で-6%でしたが、翌2023年に+33%となり、2年通算では積立とほぼ並びました。
私の結論は次の通りです。
- 資金が既にあるなら、統計的には早く入れる方が有利(8年中6年、35本の8割で一括が勝った)
- ただし差の大きさは相場次第で、一括が負ける年は「大きく下げた年」なので心理的にはきつい
- 成長投資枠を年初一括、つみたて投資枠を毎月、という組み合わせは、両方の性質を半分ずつ取る妥協案として悪くない
そして最も大事なのは、どちらを選んでも年をまたいで続けることです。2022年に一括で入れて-6%を見た人が翌年に続けられたかどうかの方が、一括か積立かよりずっと大きな差になります。
この検証の前提と注意点
基準価額は各運用会社が公表している確定値(設定来の全営業日)をもとに集計しています。買付は「指定日以降の最初の営業日の基準価額」で約定したものとして計算し、手数料・税金・分配金は考慮していません。過去のデータに基づく検証であり、将来の成果を示すものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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